MUSIC THERAPY


 音楽療法とは、音楽の特性を活かし、心身の機能の維持・改善、健康増進、発達支援を目的に行う治療、援助技法です。音楽療法の中で行われる活動は、対象となる方のニーズに合わせて様々です。Crutoでは、高齢者、成人、児童、ターミナルの各領域で音楽療法を行っています。専任の音楽療法士が、ニーズに合わせたオリジナルのプログラムを提供します。

Crutoの音楽療法

保育園・幼稚園への訪問事業

 「音楽する」体験の中で、
初めての楽器はドキドキするけど…やってみたい!
お友だちは違う音を出してるけど…それもすてき!
楽器の決まった使い方じゃないけど…いい音!大発見!
聴いたことのない音がするけど…ワクワクする!
みんなバラバラに演奏していたけど…いつの間にかつながった!
音を通して、自分のことを知る、お友だちのことを知る、「わたし」ではない「あなた」とつながる、非言語コミュニケーションならではの体験を重視した活動を行います。

音楽療法を通してひとと関わる基礎作りをお手伝いします



   

      


「楽しい」「怒り」「悲しい」「困った」「どうして」どのような表現も受容できる場として音楽空間は機能します(「いま、ここ」の感覚を共有することで生まれる他者への信頼感の構築)



       


自己効力感(自分が何かをすることで事が成るという感覚)を高めます。




  

 


自己肯定感(「自分にもできる!」という感覚)を高めます。


発達支援

「音楽による発達支援の3つの柱」をもとに、音楽を通し子どもたちの側に寄り添い、音楽の力を借りて、子どもたちがより良い状態へと向かうお手伝いをします。

音楽による発達支援3つの柱



たくさんのコミュニケーションが行われています。

 
わたしたちの生活は、ことばだけのコミュニケーションでは成立しません。表情を見たり、視線を合わせたり、声の調子を聴いたり、ジェスチャーを交えたり…。実はたくさんの「ことば以外(非言語)のコミュニケーションツール」を使って、集団の中で生活しています。言語でのコミュニケーションが成長するためには、非言語でのやり取りの経験を積むことが重要だと言われています。
 

        
     
非言語でのコミュニケーションがたくさん隠れています。


ことばを使って「合わせるよ」「今から始めるよ」とお願いをしなくても、子どもたちは音楽・音を聴いて、自然に息を合わせることができます。
音楽療法の中で、コミュニケーションや日常生活で必要な「順番を待つこと」、ほかの人の音(声)を「聴くこと」、自分を「表現すること」などの社会的な能力を発揮したり、身に付ける練習をしている、というのが音楽療法のなかで起こっていることです。


成長の段階に合わせた活動を展開しています。
   音楽療法を導入されている施設には就学前から高校生までのお子さんが通園され、年齢層も様々です。就学前のお子さんとの音楽療法では、子どもたちもよく知っている曲の中で上記のような「3つの柱」をもとにしたアプローチを行います。みんなが口ずさめる、なじみの曲を使うことで、はじめての楽器や活動への不安を減らし安心感を持ち、いっしょに口ずさめることですぐに音楽に参加することができます。1曲の中で速さや音の高低を感じたり、演奏を止めたり・始めたり、歌いながら楽器を演奏したり…たくさんのことを同時に処理する力を身に付けるお手伝いをしています。

何かに集中するためにはからだが安定することも重要です。目で楽器をしっかりと捉えて演奏すること(目と手の協応動作)、両手でスティックを操作して安定したリズムを刻む(両手の協応動作、体幹の安定)、人に届く声で話をする(深い呼吸でしっかりとした発声を導く)など…からだへのアプローチも必要に応じて取り入れています。就学後のお子さんとは、リクエストで好きな曲を取り入れたり、そのとき・その場限りのセッション(即興での演奏)を楽しんだりと、「知っている曲」から一つ枠を広げて未知のことにも取り組む力を身に付けられるようアプローチを行います。お友だちのリクエストから、普段は聴かない曲に触れる体験、自分がリクエストした曲をいっしょに共有できる体験、即興で音楽を作り上げる体験など、より高次な音楽体験のお手伝いをしています。      

      

自分を表現することのうれしさ、たのしさ、認められること。

音楽療法の中で、「楽しい」「わくわくする」体験を積み重ねることによって、子どもの中にある変容のエネルギーを引き出すことができます。このエネルギーはみんな持っています。「子どもたちがより良い方向へと進むお手伝い」することが音楽療法士の役割です。

高齢者の音楽療法

歌う、楽器を演奏する、音楽に合わせて身体を動かす、音楽を聴く等の音楽活動を通して、認知機能、口腔機能の、運動機能の維持・向上・減退の予防、コミュニケーションの促進、ストレスの緩和等の効果が期待されます。Crutoの音楽療法は、「3つの働きかけ」に重点を置いてプログラムを立案、提供します。







 



「音楽は身体運動を誘発しやすい」という特性を活かし、運動をサポートします。また、ゆったりとした曲を使用することで、リラックス効果を得ることもできます(深い呼吸を促し、からだの緊張をほぐします)。「歌う」ことは、私たちの身体が楽器になるということです。声を出している時、私たちは自身の身体のことを無意識に、しかし、とても意識的に使い分けたり、感じたりしています。






   
 



近年では、音楽伴奏のある運動が、認知症患者の認知機能の維持・改善に有意な効果を発揮することがデータとして実証されており、音楽が認知機能に及ぼす影響が注目されています。また、音楽は長期記憶と結びつきやすいという特性も持っています。





 

  




落ち着く曲、気持ちを発散できる曲、あの頃あの場所あの人と…を思い出す曲。音楽の中で様々な感情に想いを馳せたり、いっしょにいる人と共有できる。音楽を使って気持ちを上手にリフレッシュすることもできます。

講師プロフィール


これまで、精神科単科(精神一般病棟、認知症治療病棟、療養病棟)の病院で常勤音楽療法士として勤務する傍ら、小児科で障がい児への音楽療法を実践。プレイセラピー、精神分析の手法を用いた実践を中心に行いながら、精神科医、臨床心理士より定期的にスーパービジョンを受ける。精神科病院を退職後、通所介護施設、児童発達支援事業所、放課後等デイサービス、生活支援施設で音楽療法を実践する。行政より委託を受けた子育て支援事業、介護予防事業、保育士研修等で講師も務めている。平成音楽大学講師(担当:音楽療法演習)。